『成長痛』 この作品は日々の中で迫り来る、初めての感情をかわすことなく、目に見ることのできない心の痛みに、真っ向から向き合いながら綴り続けた季節を束ねた詩集です。 私たちの日々に訪れるさまざまな形の痛みを逃さず、まるで軽く、なかったことのように溶かさないように、この手の平サイズの贈り物を、ひとりひとりの読み手に贈ります。 これを手にしたあなたの心や身体に、痛みが伴った時、この詩集がそっとあなたの手のひらに寄り添い、心強さになりますように。 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 今日までの痛みはわたしを成長させた 疑問符をつける必要すらない わたしの成長には常に痛みが伴った 胸は抉られ、声は枯れ、皮膚が張り裂けた 呼吸することが精一杯な時すらあった やがて、新しい細胞が生まれた わたしは間違いなく成長していて 傷跡とも言えるこの新しい皮膚が わたしを光らせていた 誰もがどこか痛みを抱えている だけど、痛みを躱（かわ）そうとする 見つめようとしない 自分自身でさえ触れようとしない けれど、わたしは痛みを握りしめる 患部を直視し、血が滲むのを感じる この痛みが、どうか誰かを癒すものとなれ 痛みに喘いでいた日々の証明が 光に照らされてぴかぴか輝いている 痛くなったら、わたしを開いてほしい * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * サイズ／B6サイズ ページ数／本文60ページ 成長痛 ©︎go 2022